2021年10月1日の生活

▼朝から荒天。アプリを見ると昨晩時点での予想より状況が悪くなっている。とはいえ、早く出てもいつもどおり出ても、雨の強さなどにほとんど違いはないようだったので、急いで準備するのはやめようと決める。MLB、無事に大谷選手の大きなレフトフライを見届けた。なんとかHRランキング3位以内には入ってほしいなあ。その後『100分de名著』(NHK)の「華氏451度」ep.1を見た。支度をしながら「荻上チキ・Session」の9/29放送分。さすがに予算委員会は開いてほしいと思う。
 
バックパックを覆うタイプのレインコートを着ていたのであまり自由が効かず、いつもは帰りにするスタサプの講義視聴を先に行った。講義2本とテスト1つ。片手さえあいていれば授業が受けられるのだから、良い時代だと思う。途中で高校生たちが乗ってきた。この子達の中にも同じ授業を見た人がいるかもしれない。
 
▼仕事場の最寄り駅についた頃、雨風がすごいことになっていて、傘を破壊されている人が何人もいた。こんな天気でも落とし物をした人にかけよって声をかけている人がいて、素晴らしいことだなと思った。

▼部屋に戻ってからは米を注文した。ふるさと納税、やらなきゃなあとは思っている。テレビを付けたら斎藤佑樹白鵬が引退していた。座椅子がほしいと思っているが、買うかどうか迷っている。早く引っ越したい。Strugill Simpson『The Ballad of Dood & Juanita』を聴いた。カントリーを歌う年のとり方をしたい。
open.spotify.com

 
高橋源一郎『読んじゃいなよ!』(岩波新書)を読み終えた。昨日に引き続き、伊藤氏の人生相談教室に感じ入る。

(伊藤)一人ひとりが一人ひとりのやり方で、一人ひとりの親なりおばあちゃんなりと関われば、彼らもいろいろな人がいるから、いろいろな形の介護があり得ると思うのね。だから、今、TD**君が、例えば一週間にいっぺんしか行かれないとしたら、自分はもっと、二回行きたいけどいっぺんしか行かれない。で、それは自分では残念だなと思っていても、それがTD**君の持っている形だから、残念だなって思うだけでいいと思うんですよ。そうやって自分を受け入れていくといいと思うのね。
 もう一つは、介護っていうことにはよくあるんですけど、育児もそうなんですけどね、自分はやった。100パーセントやった。もういい。これで完璧なんていうのは駄目です。そうすると、自分が正義になっちゃうから。正義になっちゃいけないんですよ。正義は駄目よね。
 
(高橋)いや、ほんとうに正義だけは駄目だよね。 (p.323)

本当に優しい眼差しだ。残念だな、もっとできるはずなのにな、してあげたいのにな、という気持ちを、残念だなと思って受け入れるということ。単なる「それでいいんだよ」ということともまた違った、もっともっと根源的な優しさだ。そしてここでの正義は人を見下すことや見返りを求めること、そして怒りにもつながっていくとあって、そのとおりだなと思った。

(高橋)比呂美ちゃんが、正義が駄目だって言ったでしょ。(中略)弱いと何が見えるかっていうと、上が見える。強い人は下を見ない。自分と同じくらいのものは見える。ということは、最弱にならないと、すべては見えないっていうことなんだよね。だからできるだけ弱くなろうとするけど、それは難しいね。上にいる人はもっと上しか見ようとしない。人間の視線は、そういうものなんですよね。でもたまにね、介護とかして、死のうとしている人を見ると、自分より弱いでしょ。これ珍しいんだよね。そういうものに遭うっていうのは。もしかしたら、初めて。普段は自分か自分より強いものしか見えないけど、自分より弱いものに触れる、そして見るっていうのはすごいことだよね。そういう存在に初めて出会うんだ。それはね、とてもとてもいいことだと思う。
 
(伊藤)でもまた死のうとしてる人って、自分が死にたくないから、すごい今度は渦巻みたいなマイナスのエネルギーを出してくるの。それにスッと引き込まれそうになって、頑張って、放っておいてくれよって感じで抗わないと、引き込まれそうになるの。それはいけないのよね。本当に大変ですよ。でもそれを見ることってすごくいいと思うなあ。

来る日のために、忘れないでおこうと思う。学生たちのあとがきを含めて、良い本を読んだなと思う。