重ねられた生活 20191113~1119

1113(Wed)

場所を転々としながらかれこれ20年近く書いてきて、あらためて、本当に自分が生きるためだけに書いてきたのだなと思う。もはや一時期のように日々の出来事を異化する必要はなくなったけれども、生活の痕跡の集積が、瞬間にたどり着くためには必要だと思っていて、だらだらとまだ書き続けている。とくだん文章が上達したわけでもなければ、金になるわけでもなし、人脈(すごい言葉だ!)が広がったわけでもなく。なんかとんでもないことのように思えてきた。でもどうせなら、原稿を書いたり、書き手として召集されたりしたい人生だった。ような気もしている。とりあえず推敲なしで毎日一気書きしている日記のうち、瞬間につながりそうなものだけをリビルドしてnoteとかにおいておくのもいいかもなあとかぼんやり考えている。来年からやろうかな。来年から。こういうとき無邪気に来年も生きているんだと僕は信じているんだなあと思う癖、いつ抜けるんだろう。そしてこんなこと言っているうちは、たぶんやらないんだろう。
 
omocoro.jp
 
以前から大好きで読んでいる。最新話、あーーー!ってなった。あーーー!って。なったので恋人に読んで読んで!てしたんだけど、ふーん…みたいな感じでさすが当時交際を渋っただけはあるな…!と思った。
 
恋愛。ぼくにも数えられるくらいにはその季節があったはずなんだけど、やっぱり君とのそれだけは完全に異質だった。というかあれはそもそも恋愛じゃないと思う。恋人とのそれは完全にテンプレ通りの恋愛って感じで、どっちがいいとか悪いとかじゃなくて、両方があるというのが自分の人生の中で大きくて、好きなところだ。
 
 

1114(Thu)

昨日ぼんやり考えていたことと微妙につながっているんだけど、生業としてものを書いている人以外にもお金を払ってでも読みたい書き手というのはいて(実際に払うかどうかは当月の収支バランスにもよりますけれども)、その1人が紙のおねーさんで、またしてもすごいわかる!!!ということを書いていた。
 
soulkitchen.hatenablog.com 
 
細部に至るまで膝を打つ箇所が多々あるんだけど、「遠くまできたね」がすごい良くて。そう、ずいぶんと遠くまで来たよなと最近とみに思うのだった。andymoriよろしく、遠くへ行きたいと言っていた頃には思い描いていなかった地平の、遠く。それがいいとも悪いとも思わないけれど、死んだらあれもこれもなくなっちゃうんだよな。
 
ビリー・アイリッシュの新曲。ネクストフェーズといった趣でめちゃくちゃ良い。

 
    

1115(Fri)

ReleaseRadar。きたる新作から結構な勢いでカットされていっているbeckの新曲群だけど、今回のこれを聴いたら、アルバムの全体像がわからなくなってきた…!楽しみ。

 
他にはfoxygenの新曲も気持ちよく。twin peaksの新曲も今年出たアルバムのどの曲よりいいのでは?という印象を抱いた。



『君の言い訳は最高の芸術』、ようやく読み終えた。よい時間であった。
 
 

1116(Sat)

朝から猛烈に働いてめちゃくちゃに疲れてムニャムニャと4分の3くらい眠っているような状態で帰ってきてから、恋人のリクエストに応えるかたちですき焼きを作って、家事をこなして、シャワーを浴びて、とても敬虔な、清らかな気持ちでテレビの前に座った。小沢健二の出演する『SONGS』の開始を待つ間、買ってきておいたAERAのインタビューを読んだ。

SONGS、Twitterとテレビの使いかたとしてこんなやり方があるのか!と今回の演出に関してとても感動した。新作から「薫る(労働と学業)」をやってくれたこと、嬉しかったなあ。
 
新作のアナウンスがあってトラックリストを見たときに(労働と学業…!)と思ったのだった。人生を降りて生活を始めようとしたら、それを巡る逡巡を宇宙で捉え直してくれた。二足のわらじを履き始めたら労働と学業を肯定してくれた。こんなことがあっていいのか…!
 
アルバム内ではこの曲と「高い塔」が既発曲以外でのフェイバリットなのだけれども、「薫る(労働と学業)」でいっていることがタイトルの宇宙=Pluriverseを最もよく表していると思う。一方の「高い塔」、東京タワーについては何度か書いているけれど、東京タワーは東京タワーを引き受けているところがすごいのであり、あれをモチーフに(まだ)曲を書いてくれるということは、それがもうメッセージになっている気がする。
 
アルバム、躁がすぎるとか無邪気すぎるとかそういう見立てもあるようだけれども、状況に対するリアクションでしかないのであれば大衆音楽として強度を持つことは難しいだろう。だからほんとうのことを紡ぐにはこういうサウンドでなければならなかったはずなのだ。今作は状況をコミューナルな質感で切り取ったドキュメントとして一級品だと思っている。以前のように神様という単語こそ出てこないけれど、ぼくはこの作品でたしかに赦されたし、他にもそういう人がいそうだ。
 
 

1117(Sun)

働いて、若者たちにご飯を食べさせ、ぐずる恋人をなだめ、寝た。 
 
  

1118(Mon)

今週は仕事が忙しくて疲れている。 
 
 

1119(Tue)

風が強く冷たく、冬だと思ったのだけれども、まだ冬のにおいがしない。
 
 
今週はここまで。