2022年12月14日の生活

▼「これが胆力か、冬。」が出てきたので満足して書き終えてしまったのだけれども、そういえば少し前に今泉力哉『窓辺にて』を見たのだった。稲垣吾郎が(僕らが思う)稲垣吾郎を演じていて、おお…となった。時折素晴らしい輝きを放っていたのは玉城ティナだ。彼女を見るたびに、思い出すのは「君」のことで、ふとしたとき本当によく似ているのだった。そして同時に「玉城ティナは夢想する」のことも思い出す。僕は何年も前から一体いつまでこの話をし続けるのだろうかというところではあるのだが、「古典」ということであえて何度でも書く。玉城ティナ玉城ティナになろうとしていて、それは東京タワーが東京タワーという存在であるということを引き受けようとしていることと同じことであり、それだけで彼女を信頼できるという話なのだった。

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テアトル新宿しかり、シネマカリテしかり、地下にある劇場から地上に出る瞬間が好きだ。ライブハウスから出るのとはまた別の感慨がるように思う。それでも、先日行ったブルーノート東京はどちらかというと映画館から出るときの感じに似ていたような気がする。

▼早起きをして到着する荷物を待つ間、録画していたものをいくつか見る。『世界遺産』の年間総集編の回。個人的な今年のベストはカナディアンロッキーの回だったな。『星野源のおんがくこうろん』のレイ・ハラカミ回。『100分de名著』の中井久夫SPの初回。
 
▼最近よく考えているのは、出費のどこを抑えてどこに使うべきかという生活ど真ん中のことである。庶民の生活にはとにかく昨今の状況がふところにかなり厳しく、いろいろと知恵を絞らねばならぬという具合である。「貧すれば鈍する」への警戒は怠ってはならないと強く心に抱いているのもまた事実であるからして、生活だけでなく人生について考える時間を意識的に取らなければというところだ。

▼仕事を終えて帰宅してから見たのは『ドキュメント20min』の「ヘリコプターが飛ばなくて」回。報道特集みたいなことになっていた。一体あの会社の目的たるや…。それから『エルピス』の第7話。1週遅れている…。とにかくルックがいい。毎週しびれている。

▼塚原久美『日本の中絶』(ちくま新書)を読み終えた。どのページを開いても、酷い…と思わず口をついて出てしまうようなあれこれが繰り返し書いてあった。何よりも人権が普遍の概念であるということが、この国において「当たり前ではない」という事実が突きつけられたようで、頭がくらくらする思いである。とはいえ、自分も本を読んで初めて知ったことがたくさんあって、そういう意味では「あちら側」とそう遠くはない距離のところにいるのではないかと考えた。学ぶことは、自由になること。何事においても続けなければならない。

▼聴いた音楽はRomeo Poirier『Living Room』とAlvvays『Blue Rev』。みんな(とは)のように早く年間ベストを選べる体になりたい…。