重ねられた生活 20190918~0924

0918(Wed)

朝、ぼさぼさ頭でゴミ出しをして空気が秋めいてきていることを喜んで、なんとなくその場でぼうっとしてしまった。通勤する人たちを見送りながら、鳥の巣頭の自分とスーツ姿が同居する景色を面白く思った。僕だって、身じたくをすればあんな感じになるのだ。変身前と変身後みたいに。まあ今日は休みなんだけど。
 
 
出かけながらOGRE YOU ASSHOLEの新作を聴いた。「新しい人」、確かにいるなあでももしかすると自分が「新しい人」なのかもしれないな、古い人にはなりたくないけれど、新しい人にも決してなりたくないなと思っていたらそういう話がリンク先でなされていた。
ogreyouasshole.com
 
まあ昔から「新しい人」は一定数いて、それが可視化されるようになっただけだろうって話もわかるんだけど、その仕組みはどうあれ、僕の視界に「新しい人」がいるというその事実が重要だ。肝心の作品の方は1曲ずつ作ってはフラットな状態に戻って…というプロセスを踏んだようで、確かに太鼓の音とかも曲ごとでまちまちなんだけど、前作までの3部作とはまた違った構築美がある。
 
用を済ませてからは向こう3日分程度の作り置きをしているうちに恋人を迎えに行く時間になった。夕方の空気にもまだどこか夏の残り香があった。改札で出迎えて荷物を受け取りながら仕事の話を聞いた。とても大変なようだった。恋人は決まって「まあそういうものだとは思うんだけど」というようなことを言うのだった。でも僕はそれには同意しないのだった。それは、おかしなことが「そういうもの」としてのさばってはいけないという正義感以上に、いま一番近しい存在である僕が彼女の持ち物である苦しさを「そういうもの」として扱ってしまった瞬間に、何かが崩れ落ちるような気がしているからなのだった。この人は僕が思っている以上に強い人だとは思うけれど、今このときにおいて、こころを慎重に取り扱うことにはなんの不都合もないのだ。
 
 

0919(Thu)

朝少しだけ早起きをしてお弁当を作る。おにぎりがうまくいかなくて笑われてしまった。駅まで送っていき、別れ際に大きな声で「ばいばい!」という姿に今度は僕が笑った。
 
タイムフリーでラジオを聞きながら、家事をこなして身じたくを整えて仕事へ向かった。
 

カネコアヤノの新作。期待通りに生活を肯定する曲群。光を求める彼女の眼差しと歌声はとても強く、それでいて「わたしの歌」としてそばで優しく鳴ってくれているのだった。
 
前作を評して、日本のコートニー・バーネットに一番近い場所にいるのは彼女かもしれないなんてことを書いたけれども、確かにあの頃の「オルタナ」は思えば人生のことをたくさん歌っていたように思う。それが生活に視線を伸ばすことはあっても、基本的な立ち位置としては人生よりであった。でもカネコアヤノが鳴らしているのは溢れんばかりの生活の肯定で、でも決してそれだけではなくて、それらが積み重なった先に生活が人生へと転換する瞬間が宿っているのが素晴らしいところなのだった。コートニー・バーネットがオルタナ世代へのブルーズを鳴らしたように、彼女の肯定の有り様は、ある意味でカウンターとしても機能するような、そんな懐の深さを備えている。人生を降りて生活へと行こうと決めながらもどっちつかずの日々を送る僕には彼女の歌が照らす地平、それこそが「光」だとそう思えてしかたなくて、お守りのように、歌を、音を、抱きしめていたくなるのだった。まだ1周目だ。大事に聞聴いていきたい。
www.cinra.net
 
帰りの電車ではJerkcurbのデビュー作を聴いた。キングクルール人脈。Puma Blueも支持を表明していると。それだけで間違いない感じがする。気だるくてよかった。

日付が変わり家についてからは洗濯物をたたみ入れ、食事をし、シャワーを浴びて勉強をしてから眠りについた。生活だ。
 
 

0920(Fri)

眠りについたはずが夜中に目が覚めてしまったのでマーティン・スコセッシタクシードライバー』を観た。遅くても20代のうちに見ておけばよかったと思った。
 
見終えてから再度眠りにつき、翌朝はいつもどおりに起きていつもよりひとつ早い電車で仕事へ向かった。いつもどおり一所懸命働いた。おなか周りが気になるなとか思いながら。恋人と落ち合うために時間をつぶす。駅のベンチで夜風を浴びながら辞書を引いていた。試験が近いのだった。
 
夜中、眠る恋人を背中に勉強。SpotifyのRelease Radarを流し聞きしているといくつか魅力的な曲に出会えた。あとでまとめようとは思うが、ここではライヴ音源を2つ。Puma BlueとAngie Mcmahonだ。


 
予報を眺めては週末の天気の悪さに心底うんざりしている。今年は出かけようと思った日の大部分がぐずついている。
 
 

0921(Sat)

通勤中は放送授業をなるべく聞くようにしているのだが、今日はMan I Trustのアルバムがどうしても聴きたかったので聴いた。

仕事を終えて部屋へ戻ると、(休みだというのに!)恋人が仕事でばたばたしており、大変だなあと思うなど。帰りにアイスを買っていってあげていたので良かったなあと。ハーゲンダッツ。美味しく食べた。マルチパックの新作。あのくらいのサイズが丁度いいなあ。秋が近づいてきていて、マグカップを新調しないとねと話しあっていた。
 
 

0922(Sun)

起きた直後はとても天気が良くて、本当に雨が降るのかななんて言っていたのだけれども、夕方から当たり前のように天気が崩れてしまったのだった。
久しぶりに銀座へ出かけた。本当にアジアからの訪日客が増えたのだなと思った。それでもいろんな問題があって、少なくなっている方なのだけれども。この年にして人生で初めてフルーツサンドを食べた。ほほうってなった。ほほう。
 
 

0923(Mon)

最近、洗濯の際にベランダから虫が侵入してきたのだけれども、こいつがなかなか元気が良くて気づくと飛び回っている。それでいて光の加減なのかすぐに視界から消えてしまうので退治できずにいて困っている。
 
 

0924(Tue)

仕事で昔暮らしていた街に赴いた。普段から定期的に通う用事があるので、とくだん感慨を抱くこともないかと思ったのだけれども、当時よく見ていた景色を見る機会がたまたまその日はあったので少し思うところはあった。

イーグルスがCS進出を決めていた。喜びである。帰ってからナルコスを1話だけ見て寝た。

今週はここまで。