2023年11月1日の生活

▼日中、電車内に注ぎ込む陽光が、春のような暖かさで思わず文庫本から顔を上げる。目に映る人々の服装が半袖Tシャツからファーまで多様で、一瞬現在の季節が分からなくなってしまう。それでも、ホームを歩く女性に降る黄金色の光によれば、今はどうやら秋らしいのだった。例えば空気に季節ごとの匂いがあり、青空にも季節ごとの高さがあるように、陽光にもまた季節に応じた色というものがあるのだ。

▼「あなたの運がグングンよくなる」が7・7かと思ったら普通に7・8で、ううんと小声で唸っているうちに降りる駅に着いた。定期的に催されている路上パフォーマーの見物人のうち、固定客と初見客はどの程度の割合なのだろう。命の使い方の途方もないほどの分岐を思った。