重ねられた生活 20190606~0612

0606(Thu)

アウトプットしようとしなければインプットもないでしょということでまた記していこうと思う。どうやら生活は記して異化しなくてもいけるらしいのだけれども(現に今の僕の頭の中は献立でいっぱいだ!)、それでもやはり僕は人生をいきたいと、そう思うのである。
 
恋人を送り出して(今日のおべんとは僕が作った)から、家事をしつつジャド・アパドー『ラヴ』s3-ep8を見る。s2で少しだれたかなと思ったんだけど、s3は快調だ。ミッキーはずっとキュートなんだけど。抜き差しならなくなった人たちの、どうしようもない日々。ベースがコメディだから、そこに讃歌があるのが良い。
 
 

0607(Fri)

朝に『ラヴ』の続きと、止まっていた『このサイテーな世界の終わり』を見進めた。
 
 

0608(Sat)

解凍肉の灰汁取りとケチャップのしみ抜きが悩みの夜だった。

これが生活だし、瞬間にとどまるためには…みたいなことを悶々と考えていた時分よりはいくらか健康だとは思うのだけれども。これでいいのだろうか。いやまあ、これはこれでいいんだけど、そうであるならば、ちゃんとあの頃の自分を弔わなければならないはずなのだが。
 
 

0609(Sun)

朝の通勤時にAura Safariのデビューアルバムを聴いた。昨今本当に多くの才能が飛び出してきているサウスロンドンのシーンにおいて存在感を見せるchurchからのリリース。ジャズの香り漂うダンスミュージック。
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夜、恋人を送り届けてから帰りにブラッド・メルドーの新作を聴いた。初めて彼の音楽をちゃんと聴いた。とても素晴らしくて、過去作を順に聴いていこうと決めた。ジャズのピアノといえばビル・エヴァンスしか思い浮かばないような僕なので、これからまだまだ楽しめそうで良い。
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部屋に帰ってからは食事を作って、『このサイテーな世界の終わり』のep5を見た。アリッサが万引した店を2回目にあとにする際、1回目と違って駆け出していたの、良いシーンだった。そのあと立ち止まってボロを着てから歩き出したのも良かった。今すぐ彼に会いたいという気持ちがあったはずなんだけど、ちゃんと戦闘態勢になってから…というのが彼女のキャラクター造形として正しいのだと思った。

0610(Mon)

『このサイテーな世界の終わり』ep6。冒頭、「ふたりでアイツを殺した」とアリッサが言うシーンの、ジェームスとアリッサの様子が逃避行中の男女のすれ違いとしてそれだよそれ!という感じだった。同じような殺人を犯して逃げる男女にゴダール気狂いピエロ』があるけれど、あそこでのふたりのすれ違いも男女の機微をよく描いていてとても良く、それの子どもたちという感じすらしてしまった。
 
通勤時はcvnの新作。
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Orange Milkからのリリース。Le Makeupが参加した、「Local Pain」が空間的で気持ちよかった。全体を通してエクスペリメンタルになりすぎず、ポップとしてのポテンシャルがあって好みだった。どしゃぶりで憂鬱だったけど、助けてくれた。
 
献立。今日はなんの食材を買おうかしらと帰りに寄ったスーパーで、牛肉が安く買えてご満悦である。
 
そんな帰りはOlden Yorkの新作。これがまた疲れてダウナーな身体に馴染むサイケフォークであった。Quiltというバンドのメンバーによる別ユニットらしい。そちらもぜひ聞いてみようと思う。
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0611(Tue)

朝起きたらいやーなニュース。例のファッション雑誌の。

緩やかに文化を破壊して来た国のやりそうなことだとは思ったけど、その嫌悪感とともにそんなにお金ないのかなあ…という悲しい気持ちも。ファッションは自由を表現するための機能を備えているのに。
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「音楽やアートを使ってこれからも考えていきます。」とな…。アートに社会性があってそれはつまりどうしたって政治的なものだと思うけれど、「政治が」それを使うことには常に警戒心を持たねばならないと思っている。自由を奪われた者同士で殺し合うような未来にだけは進みたくない。


ブラッド・メルドーのマテリアルをたどる旅。『Introducing Brad Mehldau』と『The Art Of The Trio Volume One』を聴いた。やはりとても良いのだけれども、翻って、最新作のモダンさに改めて驚かされる。


Auroraの新作。評価高いようだけど自分的にはそこまでだった。Dan Tepherもピンとこなかった。wallows、これは好みだった!ゼロ年代初頭のインディロックの香りがあった。
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『ラヴ』s3-ep9、ガスのバンドがギグをする話。やってる曲がまたストレンジなインディ感丸出しで実に良かった。

 

0612(Wed)

『このサイテーな世界の終わり』を完走。ジェームスが18の誕生日を迎えてしまったことで、刑が重くなってしまうのが明るみになったときに放たれたアリッサの「誕生日プレゼント買ってないのに!」の素晴らしさと言ったら!!
ラストではこれまでにないほど、アリッサのジェームスに向けた感情が表現されるが、きっと生き延びていたとして、ふたりは本質の部分ですれ違い続けるのだろう。(それは直前までの父親をふくめたやり取りや、自己陶酔めいたジェームスのモノローグからも伺える)男女の物語は、こうでなくっちゃと思った次第。

夜は具合のすぐれない恋人を迎えに行って、料理をして、話をして、眠りたくないという声をなだめすかしながらいつの間にか眠りに落ちていた。

今週はここまで。